書籍紹介『ブラック企業と奨学金問題 ー若者たちは、いま / ゆいぽおと』
書籍紹介
- 2023年2月22日
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こんにちは。
名古屋市北区の司法書士、水谷英二です。こうした仕事をしておりますと、各方面からのお悩みや困りごとの相談を受けることがよくあります。
特に1994年頃からはサラ金・ヤミ金に関するご相談が増えてきまして、電話相談会や交流会を手伝っているうちにNPO法人を設立することなりました。
それが、多重債務被害者の方々を支援する「愛知かきつばたの会」です。現在も、賛同する司法書士や、かつて多重債務で苦しんでいらっしゃった方などによる交流相談会などを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
そしてありがたいことに、活動のなかで全国の弁護士や同業仲間とのご縁もあり、日司連や出版社の多重債務相談マニュアル関連の書籍にも携わらせていただきました。
今回はその中の一冊『ブラック企業と奨学金問題 ー若者たちは、いま / ゆいぽおと』をご紹介します。
ゆいぽおと書籍ページ https://www.yuiport.co.jp/book/view/48/
この本は、2014年に開催された愛知かきつばたの会の20周年を記念したシンポジウムでの報告や討論、発言などをまとめたもので、私が事務局長として代表編集を行いました。
三部構成となっており、
第一部は「ブラック企業、日本の労働はなぜ違法がまかり通るのか」
NPO法人POSSE事務局長 川村遼平さん労働や貧困問題に取り組む団体としての活動内容や、ブラック企業の定義や実例、ブラック企業が生まれた背景、若者たちの経済・精神状況などを踏まえつつ、なぜブラック企業が存続できるのか?といった企業側の戦略や「ノー」と言えるための社会活動や制度についてお話しいただきました。
第二部は「ブラック企業と結びつく奨学金問題」
奨学金問題対策全国会議共同表 中京大学国際教養学部教授 大内裕和さん奨学金問題の現実として授業料とアルバイト代の実例を交えつつ、奨学金に関わる現在までの歴史のなかの日本学生支援機構や、有利子・無利子枠の場合の返済パターンとそれらに伴って起きている問題、奨学金制度の改善に向けての課題などを語っていただいています。
第三部は「ブラック企業と奨学金問題から社会保障制度を考える」
私はコーディネーターを務め、上記2名に加えて、全国クレサラ、生活再建問題対策協議会代表幹事 弁護士 木村達也さんにも参加いただいたパネルディスカッションの内容をまとめています。
いずれも私が尊敬してやまない御三方。
若者を取り巻く格差社会が広がるなか、今後の奨学金問題やブラック企業問題を皆で議論し合い、会場も大いに盛り上がりました。いずれも2014年の内容ですので、参加いただいた方の肩書きや最新のデータとは違う部分もあるかもしれませんが、ブラック企業や奨学金問題は今も大きな問題のひとつであることに違いはありません。
また、Amazonでのレビュー評価を抜粋すると
『大学の卒業論文のテーマが奨学金問題だったため参考文献として購入しました。
とても参考になる一冊でした。この書籍以外にもう一冊購入したのですが、こちらはブラック企業などの企業分野における観点からも書いてくれているため多角的に見れてとても良いと思います。』『卒論を書くため購入しました。買って良かったです。ありがとうございます。』
など現役学生からの高評価もいただいております。
もし本書にご興味がありましたら、当事務所に「ブログやホームページを見た」と言っていただけましたら、心ばかりのお礼として通常1,320円(税込)のところを、1,000円(税込)で販売させていただきます。
奨学金やブラック企業など、若者や弱者を取り巻く社会保障問題が解決に向かうこと、未来の子どもたちにとって良い社会が実現できることを心から祈りつつ、これからも活動を続けてまいります。
司法書士 水谷 英二