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司法書士 水谷英二の卓上レポート

消費者金融(サラ金)は、なぜ「やばい」のか

書籍紹介

2023年7月7日

こんにちは。

名古屋市北区の司法書士、水谷 英二です。

 

消費者金融(サラ金)やクレジットカードを利用するとヤバいことになる、とよく言われます。

「審査が甘いから気軽に借りられる」「自分だけは大丈夫」と消費者金融(サラ金)やクレジットのリボ払いで借金を続けた結果、生活が破綻してしまい多重債務で苦しむケースは後を絶ちません。今回は、私が編集代表を務めました、愛知かきつばたの会の書籍「被害者救済! サラ金なんか怖くない」より、実際の体験談をご紹介し、消費者金融(サラ金)がなぜ「ヤバい」と言われるのかをお伝えしていきます。

ちなみに、この本は、1999年に出版した本ですが、今、読んでも、借金の怖さの真実を言い当てています。このたび書籍の一部をご紹介します。

 

ケース1「なんとかなるさ」がきっかけで……

会社員で娘さんが2人いらっしゃる、57歳の男性Aさんのケースです。

気軽に引越しを繰り返した結果、生活費が足りなくなってしまった

 

Aさん:24歳で結婚、2人の娘にも恵まれましたが、部屋がどんどんと手狭になってきたため、6年の間に4回の引越しをしました。

確かな計算もなく「なんとかなるさ」と気軽に転居をしたため、生活費が足りなくなるように。その結果、消費者金融(サラ金)からお金を借りるという選択をしました。

 

借金がどんどん膨らんで、自殺を考えるほど追い詰められていった

Aさん:そんななか、世の中は不景気となり、昇給もストップ。周りでお祝い事やご不幸が続くと、蓄えがないためその度に借金を繰り返すことに。その結果、借金はどんどん膨らんでいき、10社もの消費者金融(サラ金)を利用するほどとなっていました。

取り立ての恐ろしさが頭から離れないため、仕事も手に付かず、返済日が近づくと夜も寝られないようになり、生活のバランスも崩れていきました。私が借金していることを知った妻は、ノイローゼになってしまい、家族の間で話ができない状態に。

今となってはなんと浅はかな考えだと反省していますが、責任を感じ、生命保険金で清算しようと車に飛び込もうとしたこともあります。

 

専門家の手を借りながら破産手続きをすることに

Aさん:このように切羽詰まっていた時に、専門家の方に相談をし、救いの手を差し伸べてもらいました。社会的に抵抗も感じましたが、750万円という多額の借金とこれからの家族との生活を考えて破産手続きをするしかありませんでした。現在は、ご指導をいただきながら、家計簿をつけ、予定と計画を立てることで、人並みの生活を営めるように努力を重ねています。

 

自分の離婚、両親が店を閉める、などトラブルが重なって……

お子さん2人とご実家で暮らす、38歳女性Bさんのケースです。

 

両親と自分、3人で負債を返す日々

 

Bさん:離婚して、子どもたちを連れて実家で両親と同居を始めたころ、自営業を営んでいた両親が銀行の貸付などが残ったまま運悪く店を閉めることとなりました。

私も、夫に頼まれて自分名義での借金をしていまっていたことと、子どもの進学が重なり、かなりの支払いをしなくてはいけない状況でした。

 

どんな状況でも、お金を貸す消費者金融(サラ金)

Bさん:両親と私、大人3人で必死に働いても、借金の返済で生活費がありません。苦しい生活の中、病気を恨んだり、別れた夫を恨んだり、すべて人のせいという考えしか持てずに両親との醜いケンカが絶えませんでした。

こんな状況の生活でも消費者金融(サラ金)はお金を貸すので、そのころはありがたい気さえしていました。

 

10年もギリギリの生活を続け、ようやく専門家へ相談を

Bさん:「いつ、こんな生活から抜け出せるのか」と絶望していたところ、相談できるところがあると知り、半信半疑で扉を叩きました。そこで知ったのは、生活できずに支払いを優先するような暮らしは間違いだったということでした。

返済してきたつもりが、むしろ借金を増やしていたのです。借金に追われていると生活を奪われるばかりか、冷静に判断するという心のゆとりも失ってしまいます。そして自分の知識のなさも借金を重ねてしまった原因のひとつでした。

今は専門家に助けてもらいながら、生活をたてなおすべく知識をつけ、家族一丸となってがんばっているところです。

 

借金についての相談は、必ず法律の専門家へ

 お二人の体験談、いかがだったでしょうか。「消費者金融(サラ金)で借金を抱えこんでいることを他人に知られたくない」と考える方は多く、1人で悩み、その状態を繰り返していくと、冷静な心をどんどん失っていきます。すると借金も膨らんでいき、さらに冷静に考えられなくなり……と悪循環となってしまいます。

甘い言葉で借金で苦しんでいる方の弱味につけ込む「整理屋」や「紹介屋」などの悪質業者や機関へは絶対に相談せず、必ず司法書士などの専門家や信頼のおける相談機関に、早めに助けを求めてください。

 

こうした問題に関する「なんでも相談会」を、司法書士、弁護士、社会保険労務士、税理士、愛知かきつばたの会会員、労働相談員などの協力を得て4月(実施済み)、7月、9月に開催予定です。

相談内容:元々の貧困・格差、コロナ・物価高騰・支援策終了からの生活相談、特例貸付問題など借金問題、生活保護、年金、保険、労働、教育、学費、奨学金、医療など専門家が連携して、相談に応じます)
料金:無料 電話相談、面接相談、フードバンクあり
ウェブサイト:https://inoti-kurasi-soudan.jimdofree.com/

 

こういった機会を利用して、生活の立て直しへの勇気ある1歩をぜひ踏み出しましょう。

(引用:書籍「被害者救済! サラ金なんか怖くない/愛知かきつばたの会」より一部引用)


司法書士 水谷 英二

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