破産に陥る可能性もある「給与ファクタリング」とは？
雑記
- 2023年5月23日
-
こんにちは。
名古屋市北区の司法書士、水谷 英二です。以前から高額な手数料などで問題となっていた「給与ファクタリング」について、2023年2月に最高裁にて「貸金業法の貸付にあたる」との判決が出ました。
最高裁令和5年2月20日第三小法廷決定
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/800/091800_hanrei.pdf
給料ファクタリング「貸金業法の貸し付けにあたる」 最高裁が初判断
https://www.asahi.com/articles/ASR2P5W9VR2PUTIL02Z.html
これにより、給与ファクタリングを行う業者は貸金業登録が必要となり「法にのっとった営業、金利の設定をすること」という判断となりました。
給与ファクタリングの流れや借金との違い
勤務先から受け取る給与を債権として業者が買い取り、給料日前に現金化をする資金調達方法が、給与ファクタリングです。
流れとしては
→利用者は給料ファクタリング業者に、給与を債権として譲渡をする
→ 業者は利用者に対して、給与の額面から手数料を差し引いた金額を支払う
→利用者が給与を受け取ると、業者に給与の全額を支払う
となります。
耳慣れない「ファクタリング」という名称から、借金ではないと思いこんでしまいがちですが、業者が債権を買い取り金銭を交付し、また資金の回収を行うことは貸金業に該当します。
給与ファクタリングを気軽に利用してはいけません
給与ファクタリングと称した多くの業者は、貸金業登録をしていない、いわゆるヤミ金です。
「給与の前払い」「即日融資」などとうたい、SNSやインターネット掲示板を通してスマホからでも申し込めてしまうのですが、気軽に利用してしまった結果、・不当に高額な手数料を請求される
・悪質な取り立てにあう
などの被害を受けるケースが頻発しています。
また、高額な手数料を支払うことにより、本来受け取る給与が少なくなるため、結局は資金繰りが悪化してしまい、自己破産に陥ってしまうことも。
一時的に利用するなら大丈夫、などと安易に考えず、ヤミ金を利用することは絶対に避けましょう。
困ったときは、すぐに司法書士事務所ご相談を
私たち水谷司法書士事務所では、給与ファクタリング問題を手がけています。
万が一、違法なヤミ金を利用してしまい、資金繰りに困ったり、取り立てなどの被害に遭ってしまったら、1人でなんとかしようとせずに、すぐにご相談ください。
給与ファクタリングをきっかけに多重債務に陥ったケースや、生活が困窮してしまった場合のご相談もお受けしています。
・任意整理・特定調停（140万円以内のものに限ります）
→貸金業者の取り立てを停止させ、ご依頼者に代わって貸金業者と交渉いたします。
・過払い金返還請求
→過払い金が発生している場合は、相手貸金業者に返還請求することができます。今後どういった手続きを進めていけばいいのか、ご相談にのります。その他
・個人再生
・自己破産手続き
などもお受けしております。
詳しくは、当ウェブサイトのこちらのページをご覧くださいhttps://mizutani-web.com/debit
また、こうした問題に関する「なんでも相談会」を、弁護士、社労士、税理士、愛知かきつばたの会会員、司法書士の協力を得て4月（実施済み）、7月、9月に開催予定です。
相談内容：生活苦、低賃金・不安定就労などの状況の可視化（元々の貧困・格差、コロナ・物価高騰・支援策終了、特例貸付問題など借金、生活保護、年金、保険、労働、教育、医療など専門家が連携して、相談に応じます）
料金：無料
ウェブサイト：https://inoti-kurasi-soudan.jimdofree.com/
こういった機会を利用しながら、1人で悩まずに、ぜひ専門家に相談をしていただけたらと思います。司法書士 水谷 英二